光触媒コーティングの選び方:PIAJマーク・試験データ・施工業者の確認ポイント
光触媒コーティングは、製品によって性能も安全性の情報量も大きく違います。見積もりや商品ページを見る前に、確認すべき項目を押さえておきましょう。
選ぶ前に決めておきたい3つのこと
製品を比べる前に、次の3点を決めておくと選びやすくなります。
- 目的:消臭なのか、手すりなどの抗菌なのか、汚れ防止なのか
- 場所:屋内か屋外か。屋内なら、施工する面にどのくらい光が当たるか
- 範囲:一部屋の一部を試すのか、施設全体に施工するのか
目的と場所が決まると、必要な試験データの種類(可視光か紫外光か、抗菌か抗ウイルスか消臭か)が決まります。
チェック1:可視光での試験データがあるか
室内で使うなら、可視光(室内照明の光)で性能を確認した試験データがあるかを最初に確認します。紫外線での試験結果しかない製品は、屋内のLED照明下ではほとんど働かない可能性があります。
試験データを見るときは、次の点をそろえて確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 試験方法 | JIS R 1752(可視光・抗菌)、JIS R 1756(可視光・抗ウイルス)など、規格に沿った方法か |
| 試験機関 | 自社試験か、第三者の試験機関か |
| 光の条件 | どの光源・どの明るさで試験したか。施工予定の場所と大きく違わないか |
| 対象 | どの菌・ウイルス・ニオイ成分で試験したか |
| 時間 | 何時間後の結果か |
チェック2:PIAJマークの有無
PIAJマークは、光触媒工業会(PIAJ)が2009年から運用している製品認証制度のマークです。工業会が定めた性能基準などを満たした製品が登録され、マークを表示できます。登録製品は光触媒工業会のウェブサイトで確認できます。
取得は任意のため、マークがないことが即「効果がない」ことを意味するわけではありません。ただ、業界団体の基準で性能が確認されているかどうかは、比較の際のわかりやすい目安になります。
チェック3:安全性に関する資料が出てくるか
保育園や介護施設、ペットのいる家庭では、性能と同じくらい安全性が重要です。次の資料を求めて、すぐに出てくるかを確認しましょう。
- SDS(安全データシート):成分、取り扱い上の注意、応急措置などが書かれた書類
- 安全性試験の結果:皮膚への刺激性、誤って口に入った場合の毒性など、製品として行った試験
- 施工時と乾燥後の注意事項:立ち入りを避けるべき時間、換気の方法、乾燥にかかる時間
子どもや動物が過ごす場所での安全性の考え方は、保育園の光触媒コーティングの安全性で詳しく解説しています。
チェック4:施工方法と下地処理
同じ製品でも、施工の質で効果は変わります。
- 施工方法:スプレー、刷毛、ローラーのどれか。スプレー施工の場合、ミストの飛散への対策は何をするか
- 下地処理:施工前に表面の汚れや油分を落とすか。汚れの上に塗ると密着が悪くなる
- 素材の確認:壁紙、木材、樹脂、布など、施工する素材に対応しているか。下地を傷めない仕組みがあるか
- 施工範囲:光の当たる面を中心にした提案になっているか
「とにかく部屋中すべてに塗る」という提案よりも、光の当たり方とニオイの発生源を見たうえで施工範囲を説明してくれる業者のほうが、光触媒の性質を理解していると考えられます。
チェック5:保証とアフター対応
- 保証期間と、保証の対象(膜のはがれか、性能か)
- 効果測定をするかどうか、その方法
- 再施工やメンテナンスの条件と費用
- 施工後の清掃方法の説明があるか
避けたほうがよい広告表現
次のような表現を前面に出している製品・業者は、慎重に判断しましょう。
- 「感染症を防ぐ」「〇〇ウイルスに効く」など、病気の予防や治療をうたう表現
- 「空間のウイルスを除去」など、空気中に作用するかのような表現(光触媒コーティングは表面で働くもの)
- 「半永久的に効果が続く」など、膜の摩耗や汚れを考慮していない表現
- 試験条件が書かれていない「99.9%」などの数値だけの表示
光触媒を使った製品では、根拠が不十分な表示に対して消費者庁が措置命令を出した例もあります。表示の根拠を確認する姿勢が大切です。詳しくは光触媒のデメリットをご覧ください。
選び方チェックリスト
見積もり・購入前の確認リスト
- 室内なら、可視光での試験データがある
- 試験方法(JISなど)、試験機関、光の条件、対象、時間がわかる
- PIAJマークの有無を確認した(ない場合は第三者試験データを確認)
- SDSと安全性試験の結果を受け取った
- 施工時の立ち入り制限、換気、乾燥時間の説明を受けた
- 施工範囲が光の当たり方を踏まえて提案されている
- 保証の対象・期間、再施工の条件がわかる
- 病気の予防をうたうなど、過大な表現をしていない
よくある質問
PIAJマークがない製品は効果がないのですか?
PIAJマークは光触媒工業会の認証制度で、取得は任意です。マークがないからといって効果がないとは限りませんが、その場合は第三者機関による試験データなど、性能を裏付ける資料を個別に確認する必要があります。
市販のスプレーと業者施工ではどちらがよいですか?
狭い範囲を試したい場合は市販品、施設全体や広い面積に均一に施工したい場合は業者施工が向いています。どちらの場合も、可視光での試験データと安全性情報が確認できる製品を選ぶことが大切です。
見積もりで比べるべき項目は何ですか?
施工範囲(面積と場所)、使用する製品名、試験データ、下地処理の有無、施工時間と立ち入り制限、保証期間と再施工の条件を比べます。金額だけで比べると、施工範囲や製品が違うことに気づきにくくなります。